※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
漫画

山岸凉子の名作「日出処の天子」が盗作された?池田理代子のパクリ疑惑の経緯と真相

『日出処の天子』『アラベスク』『舞姫 テレプシコーラ』など数々の漫画を生み出した山岸凉子さん。

そんな名作漫画が2021年10月4日から電子書籍で発売されることになり、『日出処の天子』がツイッタートレンドに上がるなど、ネット上では歓喜の声が巻き起こっています。

私的にも『日出処の天子』は大好きな作品の1つです。

懐かしさのあまり色々検索していたところ、「パクリ」「盗作」などの気になるキーワードが見つかりました。

これは何を意味するのでしょうか?真相を調べてみました。





山岸凉子の名作「日出処の天子」

日出処の天子』(ひいづるところのてんし)は、山岸凉子先生の超代表作です。

1980年から1984年にかけて『LaLa』で連載され、1983年には、第7回講談社漫画賞少女部門を受賞しました。

 

聖徳太子(作中では厩戸王子)の若かりし頃を描いた作品で、蘇我氏・物部氏・推古天皇など歴史上の人物がちゃんと登場します。

 

一見、歴史モノ?と思われる作品なのですが、これが普通の作品ではなく・・・

厩戸皇子のキャラが、同性愛者で超能力者というぶっ飛んだ設定なんです。

 

もしかしたら・・・元祖BL作品?なのかもしれません。

 

超能力者という設定も無茶苦茶だなと思われるかもしれませんが、実はこの作品、聖徳太子の不思議な逸話や伝説が記載されている『聖徳太子伝暦』の内容を参考にストーリーが描かれています。

聖徳太子伝暦』(しょうとくたいしでんりゃく)とは、、、

厩戸皇子(聖徳太子)の伝記の1つ。
聖徳太子平氏伝』ともいわれる。

 

【内容】

入胎時の記述から、救済者の化身として仏と同格の地位を獲得しており、太子を信仰すること=菩薩・仏を信仰するという構図ができており、その超人性が強調されている。

 

近年、聖徳太子は実在しない人物なのでは?なんていう物議が持ち上がるくらいミステリアスな存在なので、あながち超能力者という設定も100%フィクションというわけではないように思います。

 


※11巻だけめちゃ細いのが萌えるのですw↑

 

とにかくこのぶっ飛んだキャラ設定と斬新な解釈は、当時センセーショナルを巻き起こし、新聞に「え、これが聖徳太子!?」「法隆寺カンカン」などというデマ記事が作られたほどの衝撃作でした(後日お詫び文が掲載)

 

出典元:毎日新聞1984年1月24日夕刊

 

このように大騒動にまで発展した「日出処の天子」ですが、史実とフィクションが上手に組み合わさった素晴らしい作品です。

 

出身地でのトークショーパンフ

 

また、美しい厩戸皇子の作画は本当にうっとりするぐらい素敵で、今尚多くの方たちに愛されている漫画です。

 

「日出処の天子」が盗作された?
池田理代子のパクリ疑惑の経緯と真相

 

事の発端は2007年。

あの「ベルサイユのバラ」で一世を風靡した漫画家:池田理代子さんが、ある漫画に対して非難したことから始まりました。

引用:2007年5月14日 朝日新聞

 

記事の内容によると、

ある漫画家が、聖徳太子と蘇我毛子との「霊的恋愛」を描いた。
「違和感を覚えました」・・・

引用:2007年5月14日 朝日新聞

 

と、作者名・作品名には触れていませんが、誰がどう考えても「日出処の天子」以外ありえない発言をし、池田理代子さんが山岸凉子さんに喧嘩を売ったと世間がざわつきました。

 

「日出処の天子」が完結してから20年以上も経っているのに、

「おおおっ!!池田先生いきなりどうした??」

とツッコミを入れたくなるような展開です(゚A゚;)

 

そんな池田理代子さんは1991年から1994年に「聖徳太子」という作品を描いています。


 

記事によると、

『太子の顔に特定のモデルはいません』
しかし、史実にまじめに向きあった。

引用:2007年5月14日 朝日新聞

 

とし、゛例の作品に納得がいかないから自分で書いた!゛

というような形で、四天王寺創建1400年記念のタイアップ企画として出版されました。

 

ここで個人的な感想としては、”史実にまじめに向きあった゛というのであれば作画は、

こんな感じとか・・・⇊

 

こんな感じに・・・⇊

 

になるのではないかなと思ってしまいます(=o=;)

 

まぁ~これは大人になってからの姿なので、だったら、

 

聖徳太子と一緒に描かれてるこの子達とか・・・

国宝『聖徳太子絵伝』に描かれている

 

この子とか⇊

 

に寄せて書いても良かったのでは?と思ってしまいます。

とはいっても少女漫画だから美化したと言われたらそれまでですが、、、

 

ですが、蘇我馬子に関しては、

こんな酷い?風貌で描いています(ちょっと可哀想)

なら、聖徳太子ももう少し丸いお顔でも良かったように感じます。

 

盗作疑惑が掲載される

 

日出処の天子批判ともとれる発言をした翌年(2008年1月)、週刊新潮が、

「ベルばら『池田理代子』の聖徳太子マンガに『盗作疑惑』」

という記事を掲載しました。

引用:週刊新潮

 

池田先生の発言を受け、日出処の天子ファンが激怒し、2作品の類似点を次々と深堀していき、ついには「盗作」の烙印を押されたという内容でした。

 

 

キャラ作画がめちゃくちゃかぶり過ぎてますよね!

髪型ほぼ一致してますし・・・(@_@;)

 

その他にも、

  • シーン描写がそっくり
  • セリフが酷似
  • 効果音がほぼ同じ

 

などと、類似点が40カ所以上突き止められたそうです。

 

ここまで暴かれてしまうと、

「強気に不快感をあらわにしてたのに、数多くパクっている」

と言われても仕方がないように思います。

 

こんなに酷似してしまうのならば、毒を吐かず、

と敬意を払って描いた方が良かったレベルです。

 

この盗作・パクリ疑惑は世間を大きく騒がし、訴訟を起こされたら池田先生は漫画家生命を絶たれる可能性もあるとまで言われました。

 

しかし、当事者の山岸凉子先生は一切言及しませんでした。

 

その結果、池田理代子先生は事を荒げて墓穴を掘り、事を荒らげず大人の対応をした山岸凉子先生は人格も作品も更に格を上げた形に収まったようです。

 

とはいえ、池田理代子先生の「聖徳太子」も先入観なしで読めばとても魅力的な漫画です。

このような評価がついてしまったのは本当に残念でなりません。





まとめ・・・

 

日出処の天子を読んだのは子供の頃だったので、こんな騒ぎがあったことは全然知りませんでした。

そんなことよりも、まだBLという言葉がなかった時代に

”愛は性別を超えるんだ”

と衝撃を与え、良い意味で納得させてくれた作品でしたw

 

山岸凉子先生の作品が電子書籍化され、また若いファンが増えそうですね。

池田理代子先生の「聖徳太子」はすでに電子書籍化されているので見比べてみるのも面白いかもしれませんよ!

 

RELATED POST