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漫画

ゴールデンカムイに出てくるアイヌ語一覧!漫画で使われている言語・文化は本当?本物?

 

この記事では、

  • ゴールデンカムイに出てくるアイヌ語一覧!
  • ゴールデンカムイに使われているアイヌ語は本当?本物?
  • ゴールデンカムイでアイヌ語を話すおばあちゃん

についてお伝えしていきます。

ゴールデンカムイに出てくるアイヌ語が独特で面白い

 

『ゴールデンカムイ』は、アイヌ文化とその言語、アイヌ語を緻密に描いた作品です。

 

物語は、明治時代の北海道を舞台に、元兵士の杉元佐一とアイヌの少女アシリパが、隠されたアイヌの金塊を巡る冒険が繰り広げられています。

 

作中では、アイヌ語が頻繁に使用され、その独特で豊かな言語が読者に新たな世界にの扉を開きました。

 

アイヌ語は、アイヌ民族の言語で日本語とは異なる言語系統に属します。

その音韻体系、語彙、文法などは、他の言語とは一線を画し、その独自性と豊かさが評価されています。

 

『ゴールデンカムイ』では、アイヌ語の単語やフレーズが頻繁に登場し、その意味や背景が説明されます。

 

『ゴールデンカムイ』で使用されるアイヌ語一覧をまとめました。

 

ゴールデンカムイに出てくるアイヌ語一覧!

 

カムイ

 

「カムイ」はアイヌ語で、神格を有する高位の霊的存在を指します。

なので「神」「霊」といった意味があります。

 

タイトルの「ゴールデンカムイ」は
英語の「ゴールデン」とアイヌ語の「カムイ」をあわせたモノです。

直訳すると「黄金の神」となりますが、物語の内容を考えると「金塊」を指しているように感じますね。

 

因みに日本語での地名表記では、漢字を当てて、

「神威」「神居」と表記されます。

 

コタン

 

「コタン」はアイヌ語で、「集落」または「部落」を意味します。

アイヌ語では、家が1軒あるところでも、ある期間だけ仮住いをする場所でも、およそ人が住んでいるところ、人が住んでいたところをコタンと呼びます

 

北海道には先ほどのカムイと合わせた「神居古潭(カムイコタン」という地名があります。

 

 

「神が住んでいるところ 」

と、解釈するとすごい地名ですよね!

 

他にも積丹(シャコタン)という地名もあります。

 

アイヌ

 

「アイヌ」はアイヌ語で「人間」を意味する言葉で、もともとは「カムイ」(自然界の全てのものに心があるという精神に基づいて自然を指す呼称)に対する概念としての「人間」という意味であったとされています。

 

また、「アイヌ」は北海道を中心に居住する民族の名前でもあります。

 

シサム

 

「シサム」はアイヌ語で、「隣人」または「和人」(日本人)を意味します。

アイヌの人々から見た日本人のことを指す言葉で、アイヌ語の「シサムウタラ」(「隣人」の意)の略語ともされています。

また、「シャモ」は「シサム」の変化形で、やはり「和人」を指す言葉とされています。

このように、「シサム」はアイヌ語の中でも特に重要な単語であり、アイヌ民族と日本人との関係を示す言葉として用いられています。.

 

ウパシクマ

 

「ウパシクマ」はアイヌ語で、

「祖先からの言い伝え」

「事物の由来や起源に関する知識を説明した言葉や説話」

を意味します。

 

樺太では説話のことを指すとされています。

 

北海道では先祖の遺訓をもとにしたものや、地名にまつわる伝承など、事物の由来や起源に関する知識を説明した言葉や説話を指し、他の語られるものと区別しています。

 

キムンカムイ

 

「キムンカムイ」はアイヌ語で、「山の神」を意味します。

アイヌ民族はヒグマを「キムンカムイ」(山の神)と呼び、人間に肉や皮を恵む存在と見なし、狩りをするたびに祈りを捧げます

 

ウェンカムイ

 

「ウェンカムイ」はアイヌ語で、「悪い神」を意味します。

アイヌ民族は、ヒグマを「キムンカムイ」(山の神)と呼びますが、

人を襲ってしまい人肉の味を覚えてしまったヒグマは「ウェンカムイ」と呼ばれます。

 

ホロケウカムイ

 

「ホロケウカムイ」はアイヌ語で、「狩りをする神」または「狼の神」を意味します。

「ホロケウ」は「狼」という意味で、アイヌの人々から敬われていました。

 

北海道にはかつてエゾオオカミが生息していましたが、開拓の際の毒餌による駆除や、大雪によるエゾシカ(狼の獲物)の大量死など、様々な要因によって1890年代に絶滅してしました。

 

カパチリカムイ

 

「カパチリカムイ」はアイヌ語で、「オオワシの神」を意味します。

アイヌの伝承では、オオワシは神格化された存在であり、その存在はアイヌ民族にとって重要な意味を持っています

 

ワッカウシカムイ

 

「ワッカウシカムイ」はアイヌ語で、

「新鮮な水を司る神」または「水の神」を意味します。

別名「ペトルシマッ」(水場の女)とも呼ばれます。

 

アイヌ神話では、アイヌの集落を中心とした川の流域を管理し、すべての淡水をつかさどる慈悲深い女神であるとされています。

人類に同情的な女神で、彼らに代わって他のカムイと仲裁するように嘆願されることもあります。

 

イオマンテ

 

「イオマンテ」はアイヌの儀礼の一つで、ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界 (kamuy mosir) に送り帰す祭りのことを指します。

言葉としてはi「それを」+oman「行く」+te「何々させる(使役動詞語尾)」という意味があります。

この儀式は、アイヌの伝統文化を象徴するもので、アイヌの人々が自然と共生する姿勢を表しています

 

クチャ

 

「クチャ」はアイヌ語で「仮小屋」を意味します。

アイヌ民族が遠くへ狩りに行く際などに建てたものを指します

 

チタタプ

 

「チタタプ」はアイヌ語で「我々がたくさん叩いたもの」という意味があります。

これは肉や魚を小刀で細かく刻んで食べるアイヌの伝統料理を指します。

 

具体的には、鮭の刺身やアラ、白子をまな板に乗せ、鉈(なた)のような重みのある刃物で刻み叩き、ペースト状になるまで叩いたものです。

基本は生食で、小魚などは骨まで砕き使用していました。

 

オハウ

 

「オハウ」はアイヌ語で「汁物」を意味します。

山菜、野菜、鳥獣肉、魚肉などを煮て、脂や塩で味付けした汁物で、一般的に具だくさんの汁物です。

具材が魚なら「チェプオハウ」肉だと「カムオハウ」となります。

 

極寒の地に住むアイヌの人々の体を温めてきた伝統的な料理の一つで、狩猟採集を基本としていた彼らは、クマやエゾジカなどさまざまな動物をオハウにして食していました。

北海道の郷土料理である「石狩鍋」や「三平汁」のルーツになったとも言われています。

 

「オマソ」はアイヌ語で「大便をする」という動詞を意味します。

ただし「大便」という名詞としても使われます。

 

作中でアシリパが、味噌をう〇こと勘違いして杉本が味噌をオハウ(汁物)に入れてドン引きしていました。

 

ヒンナ

 

「ヒンナ」はアイヌ語で「感謝」または「ありがとう」を表す言葉です。

食事に感謝する言葉として使われ、日本語の「いただきます」や「ごちそうさま」に近い意味を持つとされています。

 

また、「ヒンナヒンナ」と繰り返すことで感謝の気持ちをより強調することがあります。

 

しかし、「ヒンナ」が「美味しい」という意味ではないことに注意が必要です。

美味しい食事をしながら「ヒンナ」と言うことが多いため、誤って「美味しい」と解釈されることがありますが、実際には食事への感謝を表現しています。

 

イセポ

 

「イセポ」はアイヌ語で「ウサギ」を意味します。

しかし、ウサギはアイヌの間ではほとんど神様(カムイ)の扱いをされていません。

 

海岸へ行くと沖が荒れるのは「ウサギが跳ねるからだ」と忌み言葉で扱われ、畑だと作物を荒してしまうと悪口で呼ばれてきました。

 

また、「イワイセポ」または「イワイセボ」とも呼ばれる、2~3尺(約60~90㎝)ほどもある兎のような長い耳を持つ黒い魔物が存在します。

「イワ」は岩山、「イセポ」は日高山脈を流れる沙流川地方で兎を意味し、山中で鹿の鳴き声のような叫び声を響き渡らせると伝わっています。

このように、「イセポ」は「ウサギ」または「ウサギのような魔物」を指すアイヌ語です

 

エサマン

 

「エサマン」はアイヌ語で「カワウソ」を意味します。

 

アイヌの伝承では何故か物忘れがひどい生き物とされています。

そのため、イオマンテ(熊送り)など、大切な儀式の折にカワウソの話題を持ち出すのはタブーとされています。

カワウソの物忘れが移って、大切な式次第を忘れてしまうというのがその理由です。

 

また、カワウソはアイヌの卜占において、カワウソの頭骨を使う「エサマンキ(Esamanki)」というものがあります。

 

ユク

 

「ユク」はアイヌ語で「シカ」を意味します。

もともとはシカだけでなく、キムンカムイ=ヒグマのことも、コタンコロカムイ=シマフクロウのことも、押し並べて「ユク」と呼んでいたようです。

それがいつしか、ユクといえばシカを指すようになりました。

 

また、シカはアイヌの間では獲物(食べ物)という意味を持ちます。

 

ルイペ

 

「ルイペ」は、アイヌ語で「溶ける食料」を意味します。

これはサケ類やコマイなどを冷凍保存したもの、またはそれを凍ったまま薄切りにした刺身を指します。

名前の由来は、アイヌ語の“溶ける”を意味する「ル」と“食料”を意味する“イペ”を合わせたものと言われています。

 

現在は北海道の郷土料理「ルイベ」と名前が多少変わっていますが、元々はアイヌ民族発祥の料理です。

晩秋から初冬にかけてとれたサケを冷凍保存し、寒い冬の時期の保存食として食べていました。

また、サケの身に潜むアニサキスなどの寄生虫は凍らせることによって死滅するため、寄生虫対策としても有効でした。

 

ウコチャヌプコロ

 

「ウコチャヌプコロ」はアイヌ語で「お互いを知り合う」という意味を持つ言葉です。

ここでの「知る」は「性交する」ということです。

 

この言葉は、複数の単語を組み合わせた熟語で、単語ごとの意味は、

  • ウコ互いに
  • チャヌㇷ゚知る、覚える
  • コㇿ~している、~しながら

です。

なので「ウコチャヌプコロ」は「お互いを知り合う」という意味になります。

 

ただし、この言葉は動物の交尾を主に指すもので、

人間同士のものは「オチウ」や「ウコパウチコロ」などを使うのが一般的です。

 

フチ

 

「フチ」はアイヌ語で「祖母」を意味します。

アイヌ語には「アペフチ」という言葉があり「アペ」とは火を意味し、老女の姿をした火の神とされています。

なので「フチ」は「祖母」または「老婆」を指すアイヌ語です。

 

因みに作中での出産の時にフチが言っていたアイヌ語は・・・

ウワリカムイ ピリカノ
エンテクサマ エンプキネ ヤクン
ピリカヌワプ ハプルヌワプキワ
カムイ キリサム
エポンぺサンケ クスネナ

お産の神様が、私の傍を良く見守って下されば・・・
良きお産、穏やかなお産をして
神様の傍らに赤子が、
授けられることでしょう

でした。

 

ヒロインのアシリパの祖母として「フチ」と呼ばれるおばあちゃんが登場しますが本名ではありません。

本名は「ススポ」と言います。





ゴールデンカムイに出てくるアイヌ語は本当?本物?

 

普段触れる事のないアイヌ文化を取り入れた漫画「ゴールデンカムイ」

バトルあり、シリアスあり、ギャグありとすごく面白いのですが、ふと・・・

 

読者のみなさん
読者のみなさん
アイヌの文化や言語に忠実なのかなぁ?

 

と疑問を持つ方も多いようです。

実際にどうなのでしょうか?

 

アイヌの言葉や文化は本物・本当なのか?

 

ゴールデンカムイの中で描かれているアイヌの文化や言葉は本物です。

 

ゴールデンカムイの作者、野田サトル先生はこの作品のために、

アイヌの人・博物館の協力、樺太の取材旅行など相当な取材をしたそうです。

 

その甲斐があって、作中で使用されているアイヌ文化は非常に詳細で、

 

アイヌの少女が冬山に入る時の装いをしているわけですが、
その恰好が私の目から見ても全く違和感がなかった。完璧でした。

ーーー 中略 ーーー

これは相当下調べをした上で描いているんだなというのが、
一目見た瞬間に感じられました。

 

引用:https://wpb.shueisha.co.jp/

 

と、アイヌ語研究の第一人者「中川裕」氏もその完成度に驚いています。

 

 

また、アイヌ語に関しても忠実だと言われています。

 

アイヌ語は日本語や外国語とは異なる系統の言語で、その起源や成り立ちはまだ明らかになっていなく、特殊な言語です。

 

作中で、アシリパのカタカナ言葉の中に小さなカタカナが入っているのは、

アイヌ語が特殊な発音であり、独特な発音を表記するために工夫されているからです。

 

実際、アイヌ語には特定の文字で表記する方法が定まっていません

そのため、「アイヌ語には文字がない」と言われることもあります。

 

しかし大正時代のころからは、アイヌのもローマ字やひらがな、カタカナなどを用いて、アイヌ語を書き残しています。

現在では、カタカナやローマ字を使って表現するのが一般的で、カタカナ表記の場合、日本語にない発音を表すために小さな文字で書き表したりしています。

 

なので、作中のアイヌ語も本物だといえます。

 

ゴールデンカムイはアイヌ文化・言語がかなり詳細に描写されており、アイヌの文化を学べるといっても過言ではありません

 

 

アイヌの文化や言語を詳しく知りたいと思ったら、「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者である中川裕先生による公式解説本がおすすめです。

この本は、漫画の名場面をふんだんに引用しながらアイヌ文化について解説していますし、漫画を読んだことがない人でも楽しく学ぶことができます。

 

アイヌ民族の理解を深める入門書のような1冊なので、

気になったら是非読んでみてください。

 

私たちの日常の中にあるアイヌ語

 

私たちがが普段使っている単語の中にもアイヌ語がたくさんあります。

  • シシャモ
  • ラッコ
  • トナカイ

は、実はアイヌ語なんです。

 

■シシャモ

「シシャモ」はアイヌ語の「susuham(ススハム・シュシュハム)」が変化した語で、「柳の葉」を意味します。

「susu(スス・シュシュ)」は「柳」
「ham」は「葉」をそれぞれ意味しています。

シシャモを漢字で「柳葉魚」と書くのも「susuham」の意味から当てたものです。

 

■ラッコ

「ラッコ」はアイヌ語で「rakko」と言い、そのまま「ラッコ」を意味します。

この言葉は、アイヌの人々が肉を食糧として、毛皮を和人との貴重な交易品として利用していたことから来ています。

また、かつて北海道には野生のラッコが多く棲息していて、襟裳岬に近い広尾町には河口にラッコが棲んでいた川が楽古川(らっこがわ)としてその名に残っています。

 

■トナカイ

「トナカイ」はアイヌ語の「トゥナカイ」から来ています。

北海道にトナカイは今も昔も棲息していませんが、サハリンや千島列島のアイヌからもたらされた言葉といわれています

 

他にも

  • 枝の上にたくさんあるもの ⇒ ハスカップ
  • 花 ⇒ ノンノ(女性誌)
  • アイヌネギ ⇒ 行者ニンニク
  • コンブ ⇒ 昆布

 

など、私たちの日常に普通に馴染みのある言葉ですよね。

 

日本語だと思っていた言葉がアイヌ語だったとわかると、知らず知らずのうちに影響を受けていたんだととても驚かされます。

意外に身近なんですね!





まとめ・・・

 

この記事では、

についてまとめました。

 

ゴールデンカムイの人気でアイヌの文化や言葉を知ることができ、新鮮でとても興味をそそられますね。

アイヌ語は、2009年に国際連合教育科学文化機関によって「極めて深刻(英語: critically endangered)」な消滅の危機にある言語に分類されています。

アイヌ民族の文化遺産を次世代に伝えるために多くの人が興味を持ち、目を向けてくれたらいいなと思います。

 

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