国民民主党と立憲民主党は、日本の政治で大切な役割をしている2つの野党です。
でも、その考え方や歴史、リーダーなどにいろいろな違いがあります。
この記事では、2つの党がどのようにできたのか、どんな考えや政策を持っているのか、どんなリーダーや議員がいるのか、そして選挙でどんな活動や結果があったのかを、わかりやすく説明します。
これを読むことで、2つの党の特徴や違いがよくわかり、日本の政治のことをもっと深く知ることができます。
目次
国民民主党と立憲民主党の違い!
党の歴史や背景:両党の設立経緯や発展の過程
概要:もとは1つの政党だった
■1998年
旧民主党、民政党、新党友愛、民主改革連合という政党がありました。
この4つの政党が集まって、新しい「民主党」を作りました。
でも、名前は同じでも前の民主党と区別(くべつ)するために、この新しい民主党は別の政党として考えられています。
新しい民主党では、みんなの意見を取り入れるために「民主中道(みんしゅちゅうどう)」という考え方を大切にしました。
これは、真ん中の立場で政治をしようという意味です。
■いろいろな考えの人たち
自民党は、自分たちを「保守・中道右派(ちゅうどう うは)」と考えています。
海外のニュースでは、民主党は「リベラル(自由主義)・中道左派(ちゅうどう さは)」と見られていました。
でも、民主党の中にはいろいろな考えの人がいました。
- 保守的(ほしゅてき)な考えの人たち(渡部恒三さん、松原仁さんなど)
- 共産主義(きょうさんしゅぎ)に反対する人たち(河村たかしさん、西村眞悟さんなど)
そのため、民主党が「左側(ひだりがわ)の政党」と言われることに反対する人もいました。
■その後の出来事
2003年に、自由党という政党が民主党に合流しました。
2007年の選挙(せんきょ)で勝ち、2009年の選挙でも大きく勝ちました。
これで、民主党は国の政治を動かす「与党(よとう)」になりました。
社民党や国民新党と一緒に国を動かしました。
でも、2012年の選挙で負けてしまい、また「野党(やとう)」になりました。
■民主党から民進党へ
野党に戻った民主党の人気(にんき)は下がってしまいました。
2016年に、維新の党と一緒になって、名前を「民進党」に変えました。
これで、民主党は18年の歴史に幕を下ろしました。
「民主党」という名前も20年でなくなりました。
でも、民進党になっても人気はあまり上がりませんでした。
■さらに分かれる
2017年に、希望の党と一緒になろうとしましたが、うまくいきませんでした。
その結果、民進党は2つの政党に分かれました。
- 旧・立憲民主党(りっけんみんしゅとう)
- 旧・国民民主党(こくみんみんしゅとう)
2020年、旧・国民民主党の一部と旧・立憲民主党が一緒になって、新しい「立憲民主党」を作りました。
一緒にならなかった人たちは、新しい「国民民主党」を作りました。
- 最初は、いくつかの政党が集まって「民主党」ができた。
- 時間がたつにつれて、民主党はいろいろな政党と一緒になったり、分かれたりした。
- 「民主党」という名前はなくなり、今は「立憲民主党」や「国民民主党」という政党がある。
立憲民主党の歴史と背景
■2017年10月
枝野幸男さんを中心に立憲民主党が結成されました。
- きっかけ:元の民進党が希望の党に合流することを決めたが、それに反対する人たちが集まった。
■2017年の衆議院選挙
- 立憲民主党は結成からすぐに選挙に出て、多くの議席(ぎせき)を獲得。
- 結果:野党第一党となる。
■2020年9月
- 国民民主党の一部と合流し、新しい立憲民主党として再スタート。
- 目的:野党の力を合わせて、与党に対抗する力を強める。
■2024年10月
- 代表選挙:元総理の野田佳彦さん、前代表の枝野幸男さん、現代表の泉健太さん、吉田晴美さんの4人が立候補。ポイント上位2人による決選投票が行われた結果、野田元総理が枝野前代表を抑えて新代表に選出。
- 政治の信頼回復に向けて、企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止を打ち出す。
- 結果:選挙前の98議席から50議席伸ばし、与党の過半数割れを達成。
国民民主党の歴史と背景
■2018年5月
元の民進党と希望の党が一緒になって、国民民主党が結成されました。
- 目的:バラバラになっていた野党の力をまとめて、政策を実現する力を高める。
■党内の課題
党の中で考え方や理念の違いがあり、まとまるのが難しかった。
■2020年9月
立憲民主党と一緒になることを決めるが、玉木雄一郎さんたちはそれに参加せず。
新しい国民民主党を結成。
- 特徴:真ん中の立場で、現実的な政策を大切にして活動。
■2024年10月
- 「令和の所得倍増計画」を公約(賃上げを促進し、消費税を減税する)
- 結果:28議席獲得。選挙前の4倍の議席を確保。
このように、元々同じ民進党から出発した人たちが、それぞれの考え方に合わせて新しい政党を作りました。
これにより、立憲民主党と国民民主党という2つの政党が生まれ、それぞれの理念や政策に基づいて活動しています。
国民民主党と立憲民主党の違い!
政策や理念:両党が掲げる主な政策や政治的スタンス
立憲民主党の政策と理念
■リベラルな立場
立憲民主党はリベラル(自由主義)の立場を基盤とし、人権の尊重や多様性の推進を重視しています。
自由な考え方を大切にする
- みんなが自由に考え、自分らしく生きることを大切にしています。
- 人の権利や、いろいろな人たちの違いを尊重。
■立憲主義の堅持
憲法の理念を尊重し、特に憲法第9条の平和主義を守る姿勢を示しています。
憲法をしっかり守る
- 国の大事な決まりである憲法を大切する。
- 特に、戦争をしないと決めた第9条を守りたい。
■社会保障の充実
福祉や医療、年金などの社会保障制度の強化を主張し、格差の是正に取り組んでいます。
みんなが安心して暮らせる社会に
- お年寄りや病気の人が安心できるように、福祉や医療、年金を良くしたい。
- お金持ちとそうでない人の差を少なくして、みんなが幸せに暮らせるようにしたい。
■脱原発の推進
原子力発電からの段階的な撤退と、再生可能エネルギーへの転換を目指しています。
原子力発電をやめて、新しいエネルギーへ
- 原子力発電所をだんだんとやめて、太陽や風の力を使ったエネルギーに変えていきたい。
■消費税の見直し
消費税減税や所得税の累進性強化を提案し、低所得者層への支援を重視しています。
消費税を見直す
- 消費税を減らしたり、お金持ちの人からもう少し税金をもらったりして、生活が大変な人たちを助けたい。
国民民主党の政策と理念
■中道改革路線
国民民主党は中道的な立場を取り、現実的かつ実現可能な政策を重視しています。
真ん中の立場で現実的な改革を進める
- 偏らずに真ん中の立場で、実際にできることを大切にしています。
■憲法改正への柔軟な姿勢
必要に応じて憲法改正を検討し、安全保障や緊急事態対応の強化を提案しています。
必要なら憲法を変えることも考える
- 国を守ったり、緊急事態に対応したりするために憲法を変える。
■経済成長の推進
経済政策に重点を置き、企業支援や産業競争力の強化を図り、経済成長を目指しています。
経済を元気にする
- 会社や工場を応援してお仕事を増やし、みんながお金に困らないようにする。
■エネルギー政策の現実路線
原発の再稼働については、安全性を確保した上で容認し、エネルギーミックスの最適化を追求しています。
エネルギーを安定させる
- 原子力発電所を安全に使い続けて、電気をしっかり供給できるようにする。
■消費税の活用
消費税を含む税制全体の見直しを提案し、財政健全化と社会保障の持続可能性を図っています。
消費税を上手に使う
- 消費税など税金の使い方を見直して、国のお金を無駄なく使い、みんなが安心できる社会を目指す。
両党の主な違い比較
■イデオロギーの立場
立憲民主党はリベラル色が強く、国民民主党は中道的で現実路線を取っています。
考え方の立場
- 立憲民主党は、自由な考え方や人権を大切にします。
- 国民民主党は、真ん中の立場で、実際にできることを重視します。
■憲法に対する姿勢
立憲民主党は憲法改正に慎重で、特に第9条の改正に反対しています。一方、国民民主党は必要に応じて憲法改正を検討する柔軟な姿勢です。
憲法についての考え方
- 立憲民主党は、憲法を変えることに慎重で、特に戦争をしないと決めた第9条を守りたいです。
- 国民民主党は、必要なら憲法を変えることも考えて、国の安全を強くしたいです。
■エネルギー政策
立憲民主党は脱原発を掲げ、再生可能エネルギーへの転換を推進しています。国民民主党は原発の安全性を確保した上での再稼働を容認し、エネルギー供給の安定性を重視しています。
エネルギーについて
- 立憲民主党は、原子力発電をやめて、太陽や風のエネルギーに変えたいです。
- 国民民主党は、原子力発電を安全に使って、電気を安定して供給したいです。
■経済政策
立憲民主党は格差是正や社会保障の充実を通じた内需拡大を目指し、消費税減税などを提案しています。国民民主党は経済成長と財政健全化を両立させるため、企業支援や税制改革を推進しています。
経済について
- 立憲民主党は、お金持ちとそうでない人の差をなくして、みんなが暮らしやすくしたいです。
- 国民民主党は、経済を成長させて、みんながお金に困らないようにしたいです。
■安全保障政策
立憲民主党は専守防衛を堅持し、軍事力の拡大に慎重です。国民民主党は安全保障体制の強化に積極的で、抑止力の向上を図っています。
国の安全について
- 立憲民主党は、自分の国を守るための力を持ちながら、軍事力を増やすことには慎重です。
- 国民民主党は、国を守る力を強くして、他の国からの危険を防ぎたいです。
立憲民主党と国民民主党は、どちらも日本を良くしたいと思っていますが、考え方ややり方が少し違います。
立憲民主党は、自由や平等を大切にし、戦争をしないことやみんなが安心して暮らせる社会を目指しています。
国民民主党は、現実的にできることを重視し、国の安全や経済の成長を目指しています。
これらの違いを知ることで、私たちが日本の未来について考えるときに、どのような考え方があるのかを理解することができます。
国民民主党と立憲民主党の違い!
リーダーや主要な政治家の紹介(2024/10/9現在)
立憲民主党のリーダーシップと主要メンバー
■野田 佳彦(のだ よしひこ):党代表
2024年9月に代表に就任。2011年から2012年まで日本の首相を務めた人物。
■泉 健太(いずみ けんた):常任顧問
前党代表。2021年11月に代表に就任し、若手リーダーとして党を牽引していました。
■枝野 幸男(えだの ゆきお):最高顧問
立憲民主党を創設し、元官房長官も務めた政治家です。
■岡田 克也(おかだ かつや)常任顧問
民主党代表、外務大臣、副総理を務めた政治家です。
■長妻 昭(ながつま あきら):代表代行
社会保障や年金問題に精通し、厚生労働大臣の経験もあります。
国民民主党のリーダーシップと主要メンバー
■玉木 雄一郎(たまき ゆういちろう):代表
党の創設者であり、現実的な政策提案を重視しています。経済政策や地方活性化に力を入れています。
■榛葉 賀津也(しんば かづや):幹事長
組織運営や選挙戦略に長けており、党の基盤強化に努めています。
国民民主党と立憲民主党の違いをわかりやすく解説まとめ・・・
- 立憲民主党と国民民主党は、元は同じ民進党から分かれた政党である
- 民主党は1998年に複数の政党が合流して結成された
- 民主党は「民主中道」の立場を掲げていた
- 民主党内には多様な思想の議員が存在していた
- 民主党は2009年に政権を獲得し与党となった
- 2012年の選挙で民主党は敗北し野党に戻った
- 2016年に民主党は維新の党と合流し民進党となった
- 2017年、民進党は希望の党との合流を試みたが失敗した
- その結果、立憲民主党と国民民主党に分裂した
- 立憲民主党はリベラルな立場を重視する政党である
- 国民民主党は中道的で現実的な政策を重視する政党である
このように、立憲民主党と国民民主党は、元は同じ民主党から分かれ、それぞれ異なる理念や政策を掲げて活動しています。
両党の違いを理解することで、日本の政治についてより深く知ることができます。
「政党の違い」についての観点をぜひ参考にしてみてください。