最近やたらと聞く「サーキットブレーカー発動」という言葉。
株に詳しくない人間からしたら「なんか強そう」「遊戯王みたい」的に感じてしまいますよね。
コロナウイルスの影響で今月3回も発動された「サーキットブレーカー」
そろそろコレが本当に何なのか気になってしまったので調べてみました。
目次
「NYダウ・S&P500」と「サーキットブレーカー」
2020年3月にはいってから新聞やニュースで、
「NYダウ・S&P500の大暴落」
「サーキットブレーカー発動」
という言葉と共に、アメリカや日本で株価が暴落しているという報道も耳にするようになってきました。
この、NYダウ・S&P500・サーキットブレーカーとは何なのでしょうか?
それを知るためにまずは、簡単に
アメリカの株式市場の種類と主な株価指数
を簡単にまとめます。
アメリカには2つの株式市場がある
アメリカには、
ニューヨーク証券取引所(NYSE)
New York Stock Exchange
ナスダック(NASDAQ)
National Association of Securities Dealers Automated Quotations
という2つの株式市場があります。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)
ニューヨーク市のウォール街にある世界最大の株式市場。
世界最大の証券取引所で、「ビッグ・ボード(Big Board)」とも呼ばれている。
NYSEはロンドン取引所に次いで2番目に古い証券取引所。
世界最大規模の時価総額を誇るNYSEは、上場審査が世界で最も厳しいと言われていて、上場銘柄のほとんどが大型の優良企業と言えます。
- コカ・コーラ
- ゴールドマン・サックス(大手投資銀行)
- ウォルマート・ストアズ(アメリカ最大級のスーパー)
日本企業では、
- ソニー
- トヨタ
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
超有名の老舗大企業ばかりです!
ナスダック(NDAQ)
1971年に世界初の電子株式市場として設立。
コンピュータシステムのみで運営される相対の取引所。
アメリカの新興企業向けの株式市場。
新興企業向けの株式市場としては世界最大の規模を誇る。
ナスダックの上場企業には成長力があるIT企業が多いです。
- アルファベット(GOOG)
- アマゾン(AMZN)
- アップル(AAPL)
- フェイスブック(FB)
- ネットフリックス(NFLX)
日本企業では、
- 三井物産
- 任天堂
- 日産自動車
皆さんにも馴染み深い超人気企業が多いですね!
お笑いで例えたら、
大御所「NYSE」と、若手「NDAQ」と言った感じでしょうか?
アメリカには主な株価指数が3つある
アメリカには主な株価指数として、
- NYダウ
- ナスダック総合指数
- S&P500
この3つがあります。
NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)
アメリカで上場している企業の中から成長性や投資家の関心の高さなどを踏まえて、ダウ・ジョーンズ社が選んだ工業株30銘柄を基に算出された平均株価指数
ダウ・ジョーンズ社はアメリカの経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル」の発行元。
「ダウ平均」や「ニューヨーク平均株価」とも呼ばれます。
アメリカで最も古い株価指数。
ナスダック総合指数
ナスダックに上場している3,000以上の銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した指数。
マイクロソフトやグーグルなどIT関連企業が数多く上場しているので、現在ではハイテクやネット関連業界の動向をみる上で重要な指標とされいます。
S&P500
アメリカのスタンダード・アンド・プアーズ社が定めている株価指数で、NYSEとナスダックに上場している企業から代表的な500社を選定して、時価総額を指数化したもの。
ダウ平均とは違い、両市場の500社をカバーしている分散性から『アメリカの株式市場の状態』として世界から参照される指数になります。
また、「NYダウ」と「S&P500」をお笑いで例えると、
お笑い界の大御所、たけし・タモリ・さんまクラスを30人集めて、その資産の平均を出した指数が「NYダウ」で、大御所と若手の中から厳選した500人の全資産を指数化したのが「S&P500」という感じでしょうか?
お笑い界がコロナウイルスの影響で、仕事がなくなって収入が激落ちして資産がどんどん減ってると考えると、
「NYダウ・S&P500の大暴落」というのは、世界経済がどれだけ不安定なのかよく分かりますね。
(例えが悪すぎて、危機感が出なかったらすみません・・・)
サーキットブレーカーとは?
取引市場において想定外の価格変動が起きた時に、全ての株式売買を一旦中断させたり、株価の上下する値幅を制限する制度のことです。
取引を一時中断することで過熱感を鎮め、冷静な投資判断の機会を
設ける事を目的としています。
つまり、パニックになってしまう投資家をいったん落ち着かせて、深呼吸させて、
本当にすぐ売るべきなのか?!
売りではなく値動きが落ち着いた段階で買うべきかな?!
と、冷静に判断できる状態に戻す為にサーキットブレーカーが発動します!!
サーキットブレーカーが制定されたきっかけ
1987年10月19日に発生した「ブラックマンデー」
ダウ平均株価があまりにも行き過ぎた株価の下落が発生したため、
「パニックが発生した際の過剰な株式売買を抑制する必要がある」
と考えた規制当局がサーキットブレーカーを導入しました。
2010年5月6日の「フラッシュ・クラッシュ」
わずか数分の間にダウ平均が1000ドル近く下落した時に、サーキットブレーカーが発動しなかったことから、2013年から新しいサーキットブレーカー発動の基準が設けられました。
2013年から新しいサーキットブレーカー発動の基準が設けられて現在に至ります。
2020年3月9日のサーキットブレーカー発動は、2013年の新ルール適用から初の出来事でした。
3月の間に3回もサーキットブレーカーが発動したわけですから、只事ではないですね。
サーキットブレーカーには3段階のレベルがある
取引停止をするサーキットブレーカーは、国と市場によってそれぞれ異なるレベルを設けています。
NYSEやNASDAQでは、3段階のレベルがあります。
【レベル1 】
9:35~15:25の間にS&P500が前日終値より7%下落したら
15分間取引を停止します。
【レベル2 】
9:35~15:25の間にS&P500が前日終値より13%下落したら
15分間取引を停止します。
【レベル3 】
時間帯に関係なく、S&P500が前日終値より20%下落したら
その日の取引を停止します。
取引時間は9:30〜16:00となっていて、昼休みはありません。
日本時間で言うと、23:30〜翌朝6:00になります。
※上記の取引時間の前後に開かれる「プレ・マーケット」と「アフター・マーケット」というものや「サマータイム」もありますが、ここでは割愛します。
2020年3月9日、S&P 500の下落が取り引き開始時から7%に達したため、サーキットブレーカー発動。
同じ週の3月12日にはダウ平均株価の下落は9.99%に達し、世界規模の金融危機を引き起こした2008年10月15日のリーマン・ショックに記録した7.87%を上回り、サーキットブレーカー発動。
3月16日、NY市場で取引開始わずか5秒でサーキットブレーカー発動。
これだけ暴落していては15分間だけじゃ判断がつかないですよね・・・
過去に類がない事態に誰も予想が出来ないような気がします。
まとめ・・・
サーキットブレーカーについてまとめました。
今回の株価大暴落の背景には新型コロナウイルスの影響が大きいです。
早くコロナウイルスが終息して欲しいですね。