この記事では、NPO法人アクセプト・インターナショナルの代表理事 永井陽右(ながい ようすけ)さんのプロフィール・経歴についてまとめていきます。
内戦による混乱で治安は世界最悪と言われている、アフリカの北東部にあるソマリア。
ネットでは「リアル北斗の拳の世界」「比類なき人類の悲劇」などと呼ばれています。
永井さんはそんな危険な紛争地ソマリアで、テロリスト・ギャングの更生と社会復帰に取り組む活動しています。
- なぜ日本人の永井さんがテロ根絶に命を賭けて活動しているのか?
- なぜ、ギャングやテロリストに手を差し伸べるのか?
イケメン永井陽右さんの男前過ぎる経歴(行動力)に迫ります!
目次
永井陽右プロフィール
(大学・経歴/アクセプトインターナショナル)
名前:永井陽右(ながい ようすけ)
生年月日:1991年生まれ
出身地:神奈川県海老名市
会社・役職:NPO法人アクセプト・インターナショナル、代表理事
経歴
2007年、藤嶺学園藤沢高等学校に入学。
高校卒業後、偏差値40レベルから早稲田大学を目指して勉強し、一浪して、
2011年、早稲田大学教育学部複合文化学科に入学します。
2011年9月、学生NGO日本ソマリア青年機構(JSYO)を創設し、ソマリアへの支援活動を開始。
2015年、早大を卒業し、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に留学。
大学院で紛争解決の研究に取り組みました。
2017年4月、「日本ソマリア青年機構」を「NPO法人アクセプト・インターナショナル」に改称。
2019年には、テロや紛争の無い世界の実現のためのさらなる高みを目指し、早稲田大学社会科学研究科博士課程に進学しています。
永井陽右は顔も行動力もイケメン過ぎる!
内戦の混乱が続き、治安状態は世界最悪と言われる「ソマリア」に、なぜ永井さんは関心を持ち、紛争解決の道を志す事になったのでしょうか?
高校2年生 いじめへの反省
長身で爽やかなイケメンフェイス!
スポーツが得意で高校時代までバスケットボール部で活躍していました。
そんな永井さんは、小中から高校2年生ごろまではいろいろと悪さもやんちゃもしていて、おとなしいクラスメートに対する「いじめ」にも加担していたそうです。
子どもの頃って、運動ができるやつが偉い、みたいなとこがあるじゃないですか。
それでパッとしないやつを殴る蹴る、無視する、いじる、など、調子に乗っていじめていたんです。
引用:https://getnews.jp/archives/1912588
長身・イケメンでスポーツが出来るとなると、学校ではいわいる「人気者」で「モテる」タイプの人間ですよね・・・
子供の頃って、自分が周りよりちょっと秀でた部分があって目立っていると、自分を中心に世界が回っていると勘違いしてしまう部分が大なり小なりあります^^;
いわいるスクールカーストと呼ばれるところの頂点に君臨してイケイケだったわけですが、高校2年の夏休みにたまたま動画で見た南太平洋の島国「ツバル」の現状に衝撃を受けたそうです。
それは地球温暖化により国が沈んでしまうかもしれないという事実です。
「国が沈んだら、そこに住む人はどうなるのだろうか」
「他人」のことを深く考えたのは、これが初めてだった。
そう考え始めると、自分がこれまでほかの人のことを考えず行ってきた振る舞いが、急に恥ずかしく思えた。
引用:https://www.buzzfeed.com/jp/yoshihirokando/heisei-somalia
この事がきっかけで、いじめる側に立っていた自分の「かっこ悪さ」に気づき、
- いじめていた側の人間として、いじめていた人へのせめてもの罪滅ぼし
- 世界で一番いじめられて困っている人たちを助けたい!
そんな強い反省と決意が芽生え、国際協力・紛争解決の道を志したそうです。
人間、生きていれば間違いを起こしてしまうこともあります。
でも、その過ちに気づき、反省して、行動する事ってとても難しいですよね・・。
しかし、永井さんはちゃんと自分を見つめ直し、弱きものを助けたいという思いを抱き、行動を開始します。
大学1年「ルワンダ」から「ソマリア」へ
「ツバルが沈むのを俺が止めなきゃ!」
そんな強い使命感に駆られたのは、いじめていた人に謝りに行こうと何度も思ったけど悩んだ末、どうしてもできなかったからです。
「いじめていた側の人間」として、これから生きていくうえで、やるべきことがあるんじゃないだろうか。
ならば、世界で一番いじめられている人たちを、何とか手助けすべきなんじゃないか。
引用:https://www.buzzfeed.com/jp/yoshihirokando/heisei-somalia
決意が固まり、そこから偏差値40レベルから早稲田大学を目指して猛勉強を始めます。
そして、その受験勉強の最中、世界史で”ルワンダでの大虐殺”(ジェノサイド)について知ることになります。
【ジェノサイドとは・・・】
国家あるいは民族・人種集団を計画的に破壊すること。
【ルワンダでの大虐殺とは・・・】
1994年4月、人口730万の東アフリカの小国ルワンダで政治とメディアに煽られた民族紛争が起き、、わずか100日のあいだに100万人以上が虐殺されるという大規模なジェノサイドが起きました。
この世界的な悲劇の犠牲になったのは少数派のツチ族です。
このジェノサイドでルワンダ全国民のおよそ20%もの人達が命を落としました。
ツバルを何とかしたいと思ったそもそもの動機は、いじめられている人を助けたいと思ったから・・・
しかし、ルワンダでのジェノサイド知り、
ルワンダでは人がこんなに一方的に殺されてる。
だから世界で一番いじめられている。
と認識し、ルワンダに行って虐殺を止め、そしてルワンダの人たちを助けようと心に決め、受験勉強に励みました。
そして、一浪の後、早稲田大学に合格。
「日本ルワンダ学生会議」というルワンダを支援するサークルに入り、夏休みに念願のルワンダを訪れました。
しかし、またここ「ルワンダ」でも、現状に衝撃を受けます。
想像と全然違っていたんです。
僕は基本アホだったので、虐殺が起こったのは17年前だったのに、高校・浪人時代は今も起きてるって思って猛勉していました。
ところがいざ行ってみたら、もちろん多少の問題はありますが、虐殺は微塵もないどころか治安も非常によくて平和そのもの。
「アフリカのシンガポール」と呼ばれるほど大きく経済発展して、新興国一歩手前のレベルにまでなっていたんです。
その様子を目の当たりにして「あれ? ジェノサイドはどこいった? 世界で一番いじめられてなんてないじゃん」って肩透かしを食らったんです。
引用:https://getnews.jp/archives/1912588
目にしたのは平和そのもののルワンダ・・・
ルワンダの人達を救うという大きな目的を失ってしまった永井陽右さん。
同時に生きる目標も失ってしまい途方に暮れてしまいましたが、帰国する前にせっかくアフリカまで来たのだからもうちょっといろいろ見て周ろうと思い、経由地だったケニアに戻るのですが、そこでまた運命が動き出します。
現地のタクシー運転手さんに色々な場所に連れて行ってもらうのですが、その中でソマリア人難民が集まっていて治安が悪化している「イスリー地区」を通りました。
その時、運転手さんが険しい表情で言い放った、
「ここはソマリア人の住む地域だ。テロリストの巣窟だ。麻薬もひろがっている。
ソマリア人はテロリストが多いから気をつけろ」
の言葉が印象に残り、帰国後、ソマリアとイスリー地区のことを調べ始めました。
すると、その時ソマリアでは、
- 無政府状態で内戦が起き、テロが頻発していたり・・・
- 大飢饉が起きて1年で26万人も国民が死んでいたり・・・
と「世界最悪の紛争」「比類無き悲劇」などと言われ、現在進行系で凄惨なことが起こっていました。
そして、その難から逃れたソマリア人達が、イスリー地区に集まり、
- 教育を受けられず、職もない
- 生き延びる方法として、ギャングになることを選ぶ
- イスラム過激派が戦闘員や自爆テロ要員に育て上げる
などの厳しい生活を強いられ、困っている事を知り、
「彼らのために活動して、ソマリアを支援しよう」
と決意を固めました。
2011年 学生団体「日本ソマリア青年機構」を設立
ソマリアに行く為、ソマリアで支援活動しているNGO団体(国際協力活動を行う非政府組織)を探すのですが、
”地球で一番危険な場所”
という理由で、ソマリアで活動・事業を行っているところはありませんでした。
ソマリアの人々が危険な状況に置かれ、外部からの支援が必要だからどうすればいいか?
と国際協力業界で有名な人に相談するも、
行っても邪魔になるだけ!
と、否定的な意見しか返ってこなかったそうです。
「世界で一番いじめられてるのはソマリアなんだから助けたい」
という思いに対して、
「いやいや、危険だからダメです。初心者はまず安全な国からやりましょう」
と言われても意味がわからないしおかしくてたまらなかった。
なんなら腹もたった。だから、
「その僕が修業している10年の間にもどんどんソマリアの人たちは殺されますよね。
それを僕はどう理解すればいいんですか。それに10年くらいの経験があるならやっていいのならば、経験豊富なあなたがやればいいじゃないですか。なぜ世界で一番ひどい状況であるソマリアで活動しないのですか?」
とか言い返して帰ってきたんです。
引用:https://getnews.jp/archives/1912588
まさにド正論です!
ビシッと啖呵を切る姿はめちゃくちゃカッコイイですね!!
誰かがやらなきゃいけないのに誰もやろうとしない。
だったら僕がやるしかない。
そんな思いを悩み抜いた時、早稲田大学にソマリアの紛争遺児兄妹が留学していることを知ります。
2人に会うため、永井さんは大学のベンチに座って張り込み、6日目でやっと留学生のオラド兄妹に会うことができました。
マイ・ネーム・イズ・ヨースケ。
ぼくはソマリアを助けたい、だから力を合わせてくれないか。
一緒に世界を変えよう!
英語が得意でなかった永井陽右さんは、身振り手振りも交えて必死で訴えた結果、兄妹が所属していたソマリアの青年NGOを紹介してもらいました。
そして、永井陽右さんはソマリア人20数名とで、
「日本ソマリア青年機構」
(「アクセプト・インターナショナル」の前身)
を立ち上げ、念願のソマリア支援活動が始まりました。
NPO法人「アクセプト・インターナショナル」
2015年に早大を卒業し、ロンドンのスクール・オブ・エコノミクス(LSE)大学院に留学。
ここでは英語力を磨き、平和構築や武装解除などについて専門的に学びながら、留学中も、ソマリア支援の活動を続けました。
2017年、「日本ソマリア青年機構」からNPO法人「アクセプト・インターナショナル」に法人化。
社名の「アクセプト」は「受け入れること」を意味していて、
ギャングやテロリストを排除せず受け入れて、社会復帰を促す
という理念が込められているそうです。
その理念に基づき、テロ組織に加入してしまった若者の、脱過激化・社会復帰を支援する「DRRプロジェクト」が開始。
Deradicalization(脱過激化)
Reinsertion(社会との接点の構築)
Reintegration(社会への復帰点の構築)
それ以降、クラファンで支援を募り、様々なプロジェクト、支援活動をしてきました。
その功績が認められ、多くの賞が送られています。
受賞歴
- 第28回人間力大賞(青年版国民栄誉賞)、外務大臣奨励賞受賞、大学生 OF THE YEAR 2015 総合グランプリ受賞
- 小野梓記念賞特別賞。早稲田大学校友会稲魂賞受賞
- Gilbert Murray UN Study Awards 2016受賞
- King Hamad Award ピースアワード受賞
選出
- 世界最大の青年国際会議One Young Worldに日本代表団員として出席
- Kruger Cowne Rising Star Programmeで世界のユースリーダー30名に選出
- 次代を創る100人」に選出
- Forbes Japan「30 UNDER 30 JAPAN 2018」に選出
現在はソマリアだけでなく世界各国でテロリストと交渉し、テロ組織からの脱退を促し、社会に更生させる活動を行っています。
世界でテロリストの社会復帰に直接挑んでいるNGOは、アクセプト・インターナショナル以外にほとんどないそうです。
つまり「世界初」の事業という事になります。
イジメの経験から「世界初」の事業までって本当に凄すぎますよね!!
ここまで長々と経緯を綴ってきましたが、簡単に言ってしまえば、
ごくごく普通の日本人青年が、国連さえお手上げのソマリアのギャング問題に立ち向かい、今も挑み続けてる
という話です!!!
確固たる信念で世界にこれまでなかった概念を構築してみせた永井陽右さんの「行動力」や「人間性」は自分の想像をはるかに超えるものでした。
(顔がイケメン・行動が男前なんていう小さな話ではありませんでした…(;´д`))
この前例がない最難関の問題に立ち向かうべく、アクセプト・インターナショナルでは支援を募っています。
永井陽右さんの「テロと紛争のない世界を創る」という思いを応援したいなと思いましたら、HPから支援することができます⇊
また、書籍も出版されています。
僕らはソマリアギャングと夢を語る
「テロリストではない未来」をつくる挑戦
ぼくは13歳、任務は自爆テロ。
テロと紛争をなくすために必要なこと
『共感という病』
『共感という病』(かんき出版)の見本が届きました!Amazon新着ランキングはおかげさまでカテゴリ1位となっており、改めて共感に関する問題意識の高さを感じます。コロナ禍において東京五輪が開催される今日この頃だからこそ、皆さまと共感について考えることができたらと思います。 pic.twitter.com/dZYij8j31v
— 永井陽右 | アクセプト・インターナショナル (@you___27) July 7, 2021
『共感という病』は7/16発売です。
社会課題解決領域や永井さん自身についてもっと知りたいという方は、読んでみて深みを増してみてはいかがでしょうか?
まとめ・・・
「アクセプト・インターナショナル」の代表である永井陽右さんのソマリア支援に行き着いた経緯をまとめました。
学生時代から超最前線で行動し続けている永井陽右さんの信念は凄まじい強さと慈愛に包まれたものでした。
こんな素晴らしい青年が日本にいたのだと本当に驚きです。
多種多様な環境・人種・思想の人々が1人でも多く笑顔で生きていけるよう願うとともに、永井陽右さんの活動を微力ながら応援しています。